誠-変わらぬ想いの果て-
「あら、結界が張れるようになったの?なら、違う術を私が教えてあげるわ。私の術式の師匠は奏だから、いつかは奏みたいになれるわよ」
エリオルが持ってきたチキンを噛み切りながらミエは響にそう言った。
「ミエ様、そういうことは…」
「本当ですかっ!!?是非っ!!お願いします!!」
奏が制止するかのように声をかけたが、響はその申し出に飛びついた。
結局、響を止めることは到底無理なことだった。
普段はそんな片鱗を見せないが、酷く頑固なのだ、響は。
「奏!!私、頑張りますね!!」
「……うん。頑張って」
「はい!!」
キラッキラとした笑顔を向けられたらたまったもんじゃない。
さっきまでは怒っていたはずなのだが。
まぁ、機嫌が直ったのならいいっか。
「じゃんじゃん食べて飲もう!!」
『お〜!!』
ミエが握り拳を上に掲げ、それに答える三馬鹿。
宴は再び盛り上がりを見せた。