誠-変わらぬ想いの果て-
なので元老院以外では死人扱い。
一度死んだことには変わりはない。
けれど内では、この世でもあの世でもない元老院の中では生者として扱われることになっている。
生きていた頃と同じように生活できるし、学校に行けたのは外であるため死者扱いになるので“見える”ようになる術を学校中にかけたからである。
だからもし、中で大怪我で……なんてことになれば、それは魂の消滅を意味する。
なんとも危険度の高いことなのだ。
しかも、第三課となると、元老院内に侵入してきた敵に対処する前線。
その上、人間でなく妖相手ともなれば、無傷ですむとは思えない。
だが、翁が退くことはなかった。
「狐達ともあれ程戦えるなら十分じゃ」
「狐!?一体いつの……あぁ、幕末の。ですが、それとこれとは…」
「これは決定じゃ。今後、元新撰組隊士達は第三課の仕事にもつくこととする。よって院内で人間であることを理由に眠らせること罷りならん。よいな?」
「……………」
奏は黙り込んだ。