誠-変わらぬ想いの果て-



「よーし。これで明日からは君達も相手にできるわけか」


「楽しみ、楽しみ〜」


「お手柔らかに頼むよ」


「分かってる、分かってる〜」


「俺もあんた達といっぺんやってみたかったんだよな」


「俺も俺も!!」


「俺はあの秋津って奴とやってみてぇな?」


「誰か呼んだやろか〜?ここにおりますよって」


「…………………おい」




完全にやる気だ、こいつら。


駄目だ。


もう無理だ。


諦めよう。


ちゃんと目を配っていたら大丈夫…のはずだ。


どこまでも 剣術馬鹿に 薬なし




「怪我の際には、とっておきの妙薬。石田さん…」


『絶対怪我しねぇ(ない)よ』


「おい、てめぇら。どういう意味だ、こら」




こう言っておけば大丈夫。


いつまで経っても石田散薬だけは薬として認められない彼らである。


こうして夜は更けていった。



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