誠-変わらぬ想いの果て-
密やかに近づく再会の足音
大学見学
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数日後、奏は放課後の教室に一人残っていた。
それというのも……
「奏〜!!お待たせ!!」
教室のドアがガラッと音を立てて開き、髪をポニーテールにしたあづさが顔をひょっこりと出した。
「遅かったね?随分引き止められたんだ?」
「うん。何で彼らが全然来てくれないんだぁーってね。主将さん達に」
「来たら来たで怖くて困るが、来なかったら来なかったで稽古にはりがなくて困るという訳か。難儀なことだ」
「あはは。そうだね。じゃ、行こっ!!」
奏はカバンを肩にかけ、教室を出た。
今、沖田達は第三課で猛稽古中だ。
今まではあまりおおっぴらに手合わせできなかったが、“翁の命”という大義名分ができたとカミーユはホクホク顔を隠すことなく曝け出していた。
今日は実戦形式の乱れ稽古をするらしく、沖田達は一足先に元老院に戻っている。
奏はというと、目の前でルンルンと気分を高揚させているあづさにある場所に一緒に来て欲しいと頼まれていた。
「それで?お目当ての人は?」
電車で三駅先、それから徒歩十分の所に二人は到着した。
あづさは忙しなく目線をキョロキョロとさせている。