誠-変わらぬ想いの果て-
「悪い、左之。お前のその顔が悪い。
土方さんと二人頑張ってくれ」
「さ、さささ、左之さん。
人に好かれるっていい事だと思うぜぇ?
良かったじゃん!!」
「なら、その顔変われー!!
そんでもっていい事じゃ全然ねぇだろ!!」
「ぎゃあー!!痛ぇ、痛ぇっ!!」
「は、離せよ!!痛っ!!」
揉み合いになり、着物がはだけている。
それを都槻が嬉々として凝視している。
「三人共、静かにしなさい。
トシが寝ているだろう?」
「――――いつつつつつ。
――――――……は?」
井上が三人を嗜めていると、土方が顔を押さえつつ、不機嫌そうに起き上がった。
そして、目の前に広がる光景に目を瞬かせた。
「トシ、この方がここを我々のために作って下さったんだ」
「は?ここ壬生の屯所じゃねぇか」
広間と庭をつなぐ襖を開けた。
すると、確かに見慣れた庭の向こうの風景は、先程まで見ていた元老院のものだった。