誠-変わらぬ想いの果て-
「何なんだ?この音は」
「魔王様方が暴れてるんですよ」
「魔王?」
どこか聞き覚えのある呼称に、みなは思考を過去に戻した。
「カミーユ…様とセレイル様です」
「―――あぁ、思い出した。
そういや仲が悪いって言ってたな」
仲が悪いレベルが半端ないとは思うが。
「そろそろ出番ですよ。
だいぶ破壊されたみたいですからね」
「はぁ、まったく。
うちの課長はまた――」
都槻の上司、第三課長のカミーユは年中無休でどこかしらを破壊している。
それゆえに、都槻のため息は年季が入っていた。
「都槻さんっ!!」
「あぁ、十夜じゃない」
「奏、目を覚ましたんですね?
お帰りなさい。
みなさんもお久し振りです」
「あぁ」
前に十夜…コリンは土方達に会っている。
懐かしい顔にペコリと頭を下げた。
健気に第三課の副官をしている少年だ。