誠-変わらぬ想いの果て-



「近藤さん、カッコいいですねー。

――…土方さんはナルシストですねー」



「おい、こら。 その、なるし――っていうのの意味は分かんねぇが、お前が言ってること自体で悪意が伝わってきてんだよ」




さすが土方。


意味も分からないのに、沖田に言われたというだけで察知するとは。




「副長、申し上げにくいのですが

――自己陶酔にひたっている者のことです」



「総司っ!!てめぇ、何言ってやがる!!」




斎藤が本当に言いにくそうに言った言葉に、土方は眉を釣り上げて烈火のごとく怒った。




「あれ?違うんですか?

じゃあJDHで」



「―――斎藤。どういう意味だ?」



「申し訳ありません。私の知識には」




斎藤を辞書代わりに使い始めた土方。


それを見て、沖田はニッコニッコと笑っている。


それが余計に土方の神経を刺激していった。



< 38 / 254 >

この作品をシェア

pagetop