誠-変わらぬ想いの果て-
「おい、いいか?斎藤。
後でこいつら一発ずつ殴っといてくれ。
俺がやったら体罰だと騒がれちまう」
「分かりました」
『えー』
《今から第41回明陵高校の入学式を始めます。 体育館へ移動して下さい》
斎藤に三人の野次が飛ばされていると、アナウンスが流れた。
今までバラバラだった生徒達が体育館へ移動する列を作っている。
「おい、斎藤、山崎。
しっかり(こいつら)見張っとけよ」
『はい』
そう言うと土方は踵を返し、職員席へ向かった。
スーツを着こなし、颯爽と歩く姿は、女性達の熱い視線を浴びている。
「普通、年長者が頼まれるもんじゃね?」
「俺達、影薄くね?」
永倉と原田が不満げに腕を組んだ。
土方が斎藤と山崎に頼んだのが気に食わないらしい。