誠-変わらぬ想いの果て-
告げられた謎
―――数日後
奏達は大分学校生活に慣れ、それなりに満喫していた。
剣道部員達をしご――熱心に指導し、死屍累々の山を毎日作りあげている。
指導が終わった後の永倉達はさっぱりとしており、ムンクの叫びを実際に見せてくれている部員達とは大違いだ。
中でも、土方の命令を華麗に無視し、なんの恨みか、親の仇のようにしご――指導する沖田、奏、珠樹はもはや永倉達ですら見るにたえないものがあった。
「奏〜。次移動教室だよ〜?」
「あ、うん。今、行くよ」
奏は机の中から教科書やら何やらを取り出した。
そして、山崎とあづさが待っている教室の扉まで走った。
「ごめん、ごめん」
「奏、筆箱、落ちるぞ?」
「おぉ、危ない危ない」
ずり落ちそうになっていた筆箱をきちんと持直し、三人は教室を出た。
もう三人の他にはほとんど人が残っていなかった。