誠-変わらぬ想いの果て-
「あ、ねぇねぇ、知ってる? この学校、こっくりさんが流行ってるんだって」
「こっくりさん?」
学校に行くまでに詰め込んだ現代事情に入っておらず、奏は首を傾げた。
すかさず山崎がフォローを入れる。
「こっくりさんって、あの稲荷を呼び出して聞きたいことを教えてもらうっていう、あの?」
稲荷を人間が呼び出す?
しかもたかが聞きたいことのために?
馬鹿な。
ありえない。
鬼と同等に誇りを尊ぶ奴らだぞ?
「そうそう。でもね―――生徒が一人消えてるらしいの」
「生徒が?」
「3年の先パイでね? 4人でやったらしいんだけど、その中の1人がある日突然、行方不明になったらしいよ?」
「へぇ〜」
奏はあづさに気づかれないように、山崎へ視線を送った。
すると山崎も気づき、頷き返した。