誠-変わらぬ想いの果て-
「だとしたらもう一度ご対面しなきゃね。この翼の主に」
「どうすんだ?」
奏はみんなから距離を取り、刀印を作った。
「――左之さん達の考えが正しければこれで姿を現すよ」
「あっ!!待っ!!」
鷹が急いで結界を張り巡らせた。
それとほぼ同時に、凄まじい音を立てて雷が落ちた。
鷹の結界がなかったら、こちらに余波がもろに来ていただろう。
元老院から離れているので痛みはないが、雷に打たれるというのは、生きていた時の習性で考えただけで身がすくんでしまう。
しかし、奏や珠樹はケロリとしている。
やはり、自分達が扱っているものだからだろう。
「――――来た」
奏は、予想通り、とペロッと唇をなめた。
バサバサっと言う音が校舎からこちらに向かってくる。
漆黒に彩られる世界に、奏達以外に新たに踊りでるモノがいた。