誠-変わらぬ想いの果て-
「校内を飛び回るのはやめて。 人間に気づかれるし、後始末をするのはこっち。 分かってもらえないと、カミーユ様が直々に出てくるかもだけど」
「―――分かった。善処する」
カミーユの名を聞き、天狗の顔が実に嫌そうに歪められた。
何せ、第三課長カミーユといえば、生粋の戦闘狂。
今までに、いくつもの妖達の住居を破壊してきた御人なのだ。
当然の反応だ。
自分の住みかを破壊されてはたまったものではない。
「私達がこうして来たから、あなたは住みかに戻って構わない」
「―――早々に解決できるのか?」
「こっちもしたいと思ってる」
奏がそう言うと、天狗はいくらかは満足したようだ。
「汝らに教えてやろう。
キツネはキツネでも狐ではない」
「は?」
「どういうことだ?」
天狗の口から出された謎かけのような言葉に、みんなは首を傾げた。
天狗は生来、教えたがり魔だ。
嘘は言わない。
だからこれは真実正しいものになる。