誠-変わらぬ想いの果て-
土方、受難の日
―――次の日
暖かい日差しが気持ちいい午後の授業。
睡魔が生徒達を眠りに誘う時間帯だ。
奏達1年組は全員日本史を選択していた。
よってこんな時に土方の授業だ。
「平安時代には――おい、そ、じゃなくて沖田っ!!」
「何ですか、土方センセー」
「何ですかじゃねぇし、逆にお前が何なんですかだっ!!授業中に、か、じゃねぇ雷焔の髪をいじるな!!そして双子!!寝るな!!」
土方は青筋を額にくっきりと浮かべている。
一番前に座っている生徒は、土方の突然の怒声に肩をビクッと揺らした。
「お前ら、俺の授業がそんなにつまらねぇか?」
『くそつまらないね(ですね)』
沖田は手を止めることなく、奏達は顔を伏せたまま答えた。
しかも綺麗にハモって。
まるで示し合わせたかのように。
途端に辺りがシーンとなった。
「―――ん?」
奏が不思議に思って顔をあげると、無理矢理笑顔を作っている土方の姿があった。
口の端がピクピクと引きつっている。