誠-変わらぬ想いの果て-
「――あと3分だ」
そうだった。
総司や奏がいる限り、大人しく甘んじて受けるわけないな。
確実にボイコットかエスケープだな。
俺が馬鹿だったよ。
土方は深く内省した。
「はい、終了。前に回せ」
「奏ちゃん、できた?」
「うん。某発句集より面白いよ?」
「僕も結構これ自信作」
テストが面白くなるわけないだろ!!
しかも、俺は面白さなんか求めてねぇ!!
土方はテストを行ったことを後悔し始めた。
というより、あの二人の答案だけ見るのが恐ろしい。
発狂しない自信が全くない。
誰か代わりにつけてくれないだろうか。
山南辺りが適任だろう。
「珠樹は?」
奏が顔を横に向けた。
「まぁまぁかな?悪くないと思うよ?」
お、真面目……
「とくに屋根らへんがね」
屋根!!?
まさかの屋根!!?
んなもん問題にねぇよ!!
平等院は出したさ、確かに!!
―――屯所でつけよう。
そうだ、そうしよう。
そしたら刀が――。
土方は思わず教師にあるまじき考えを起こしていた。