誠-変わらぬ想いの果て-
捕まえた尻尾
―――数日後
奏は夜の旧校舎にいた。
結局、ここ数日は何も情報をつかむことができなかった。
あと3日だ。
天狗と約束したのは。
「キツネはキツネでも狐ではない―――か」
天狗の言っていた言葉を思い返し、階段の手すりに手をかけた。
「いーち、にー、さーん―――」
階段の数を数え始めた。
「じゅういーち、じゅーに、じゅーさんっと」
学校の七不思議《魔の十三階段》
奏は何のことなく数えてのけた。
そのまま待っても何も起こらないので、不満げに廊下に出た。
奏が行った後、階段の中央付近で空間がグニャリと意志を持っているかのように揺れた。
「ゲンロウインガクルナンテ、キイテナイ」
旧校舎に住み着いている人に害をなす妖は、すっかり息をひそめていた。