誠-変わらぬ想いの果て-
「暴力はんたーい!!教師がそんなことしていいのかー!!」
「―――棒読みで言ってて、自分、悲しくなんねぇか?」
「うん。実はなった」
奏は人体模型の方に目を向けた。
ビクッと肩を震わせ、明らかに怯えている。
学校の七不思議と言われ、生徒から恐れられている面影はそこにはない。
「ナ、ナンデスカ!!ワタシ、ナニモシテマセン!!」
「――土方さん、こいつ、何か知ってる」
「あ?まぁ、そうみたいだな。総司、縄」
「縄で縛ったら内臓とかはみだしませんよね?僕、嫌ですよ。土方さん縛って下さいよ」
沖田は持ってきた縄をグイッと土方に差し出した。
「ったく。餓鬼じゃあるまいし」
土方は人体模型を足で転がして押さえつけ、手足を縛った。
確かにこれだと内臓がはみだす心配はない。
さすが土方さん。
伊達に攘夷志士をお縄にしてないな。
まぁ、人体模型だけど。