かんぺきなあいつ。

うわさのこわさ

「…おはよ」


「…はよ」



自他共に認める低血圧のくせに相変わらず俺より早く学校に来ている三広。


俺が挨拶した瞬間も顔を机に伏せようとしていたらしく


現在進行形でめちゃくちゃ睨まれている。





「柚木どうした。いつものバカみたいに高いテンションは」


「…ちょっとな」



俺の不機嫌なときよりいつもの機嫌が悪いやつにどうしたとか言われたくねぇし。


さっきの挨拶だってより不機嫌な方の返してきたのが三広だ。


けど今に始まったことじゃねぇし。仕方ないか、と思いながら朝あった出来事を三広に話した。


階段を降りた瞬間、過去最高の速度でトイレの扉がぶつけられたこと。


朝からプロレスの技を3つ、1つずつ30秒以上かけられたこと。



「俺のシュガーダブルハニーツイストパイがー!とかなんとか朝から叫んできてさ!あんのクソ兄貴!」


「柚木が食うからだろ」


「そんなに食われたくなかったら名前でも書いとけっての!」


「じゃあ名前書いてあったら食わなかったのかよ」


「…あ、あったりまえだろ!名前を書かなかった兄貴が悪い!」
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