one day
 アパートの前に車が止まった頃には、タクシーのメーターは僕が予想していたより幾分高めの料金を指していた。彼の話した量を加味すれば少しばかり安い金額でもあった。僕は一枚紙幣を渡し、タクシーを降りた。
 僕はくしゃみを2回続けてした。二の腕が冷えきっていて、両肩を押さえて部屋まで歩いた。ドアの前までくると、壊れたドアを蹴り飛ばした。ドアは、ドアの枠にぶつかり僕の足に戻ってきた。2、3回その間を行き来し、止まった。それから、ドアの縁に手をかけドアを開け、部屋に入った。
< 15 / 18 >

この作品をシェア

pagetop