one day
「つまり、君は僕にそれを伝えに来てくれたわけだ。その叔父さんはちょっと変わってるね。」
「叔父は確かに、会社に勤めているわけでもないし、何か特定の仕事をしているわけでもないからその辺は少し変わっているかもしれないけど、とても聡明で注意深い人よ。今までも、その少し特殊な能力みたいなもので、たくさんの人の助けになってきたわ。仕事といえば、それが仕事なのかもしれない。私はたまに、それの手伝いをしているの。でも、今まではそういう依頼が人から直接きて、その人に伝えたり、遠い人には手紙を書いたりしてたの。私は、それの翻訳とか事務的な事を手伝っていたの。あなたみたいに全く面識がない人に、しかも私に直接会いに行って欲しいというのは、何か特別で緊急な事じゃないかしら。申し訳ないけど、私が言えるのはこのくらいだわ。暖かいコーヒーをありがとう。」
彼女はそこまで言ってしまうと、役目を終えたという感じで、コートと帽子を取り帰る身支度をし始めた。
「わかった。君を疑っているわけじゃないけど、君の話が全て本当の事だと仮定して、よくはわからないけど、『これから何か問題が起こる。僕には時間があまりない。恐らく一日くらい』という事はわかった。でも、それだけじゃあんまりじゃないかな?まるで、水槽に入って夕方にはサシミにされてしまうのを知らないかわいそうな鰆みたいだ。」


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