2人の陰陽師〔前半〕
「あんたなんか死んじゃえ!!」


友梨香様が顔を狙って拳をふるってきた。


もうダメだ―――。


そう思って目を瞑り殴られるのを覚悟したとき。


パシッ。


かわいたおとが響いた。



え?


抱きしめられてる?

目をあければ、青ざめている友梨香様とそのとりまきが見えた。



「蓮様!?」


顔をあげれば、友梨香様達を恐ろしい目つきで睨んでる蓮が、友梨香様の拳を受け止めていた。



「おまえら何してんだよ?」


そう言う蓮は、冷たい空気を放っていた。


「えっと…」


取り巻きたちは口ごもっている。


そんな中、友梨香様はさらに蓮を怒らせるような言葉を放った。


「ルナさんに蓮様に近づくなと言っているのに、言うことをきかないから、こうやって分からせてあげてるんですわ」



< 116 / 132 >

この作品をシェア

pagetop