2人の陰陽師〔前半〕
そう気づいた俺は兄貴がやることを見守ることにした。


兄貴がルナにさわるなんて不服だけど。



「!?これは…!」


「なんかしたのか?」


兄貴の驚いた声にびっくりして思わずルナの方を見る。


そこには―――――。



「何だよこれっ!」




蹴られて青黒くなってる腹にくっきりと真っ黒の黒い薔薇。



「これは厄介だね…」



「だからなんなんだよ!?」



兄貴の表情からして悪いことには違いなくて、早く状況を理解したくて。


とっさに肩を掴んだ。





兄貴は俺から視線を逸らし…。


「…落ち着いて聞いて。彼女の命はあと10日間だよ」



それを聞いた瞬間目の前が真っ暗になった。

「とう…か?」


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