2人の陰陽師〔前半〕
完全に分かっていたと言えば嘘になる。

ただ居る気配がしただけで、場所は分からなかった。

『そうか。だがそんなのは関係ない。俺は、お前の力のを取り入れて強くなる!』

そう言ってかまいたちが攻撃してきた。

それを避けながらあたしも攻撃する。


避けているうちに後ろの雑鬼に捕まってしまった。

「くっ……離して」

振りほどこうとしても、雑鬼達の力は強くびくともしない。

『これで、俺の勝ちだな』

そう言って気持ち悪い笑みを浮かべ、あたしの前に立った。

これで勝ったと思っている、かまいたちに笑える。

周りから見たらそうかもしれないけど、あたしは違う。

あたしは口元をニヤっとさせた。
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