2人の陰陽師〔前半〕
それに呪縛の術を使って、動けなくした妖怪も、術がとけたらしく人質にしていた女を離し、こっちに向かってきた。


ひとまずあの女は、解放したらしい。


これで、調伏しやすくなったが今は不利な状況だ。


『これで、おしまいだ!』

そう言って、炎の玉をこっちに投げてきた。

やられる!!、そう思った時。


「“天兵きたりて、我を助け符神をつくらせよ。万鬼伏蔵せよ、風靡消炎符急急如律令”」


そう、声がした瞬間俺に迫っていた炎の玉が消えた。


えっ、まさかあの女がやったのか!?

俺は、自分の目を疑った。


だってまさか、俺とルナ姉のほかに陰陽師がいるなんて、思いもよらなかったから。


一瞬何が起きたか、わからなかったし。
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