金髪王子2

「勇真はさ、あたしや王子と同じ中学で、1年のときも同じクラスだったの。
見た目どおりチャラいヤツで、1年のとき、なにかっていうと王子をナンパに連れて行こうとしててさ。
王子と一緒なら、ナンパの成功率は上がるだろうからねー。
ま、王子は部活で忙しくって、そんな誘いには、一度も乗らなかったけどね。
そういうヤツだから、ほっとけってこと。
ね、王子?」


大野の言葉に俺がうなずくと、勇真が叫ぶ。


「えー、礼奈も大輔もひでぇよー。
それだけってワケじゃないじゃん!
俺たち、友達だろー?
栞ちゃん、なんとか言ってやってよー」


そう言いつつ、勇真は、なれなれしく栞の肩に腕を回した。

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