金髪王子2

あっ、あのヤロー!


栞に触れていいのは、俺だけだ!



――ガタンッ。



勢いよく立ち上がり、勇真の方へ行こうとしたとき、教室の前扉から入ってきた人物と目が合った。


誰かと思えば、菊地だ。


菊地は黙って、栞と、その肩に腕を回している勇真を見やると、すぐに状況を察したらしい。


スッと勇真の前に行き、パシッと小気味いい音を響かせて、勇真の手をたたいた。


「いてっ!」

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