金髪王子2
勇真があわてて手を引っ込めると、菊地は勇真を冷めた目で見下ろす。
「勇真、奈良坂に半殺しにされたくなかったら、栞に手を出すのはやめなさいね」
「アハハ、手を出すなんて、まさか~!」
勇真は乾いた笑い声をあげて、顔を引きつらせている。
しょうがねぇ、ここは菊地に免じて、許してやるか。
俺は再び席についた。
菊地は、栞に話しかけている。
「栞、コイツのこと、知ってる?
あっちこっちの女子に声かけて歩いてるから、一部では有名なヤツなんだけど」