金髪王子2

栞も心配そうに菊地の方を見ている。


「…………」


菊地は無言のまま、ギロリと勇真をにらんだ。


とたんに勇真は、くるりと体を反転させて前を向き、「ヤベー」と舌を出している。


ふぅん。


どうやら勇真のヤツ、菊地がまだ誰にも言ってないようなネタを、どこかからつかんできたらしい。


そういう話には耳ざといからな、アイツ。



すると、大野が明るい調子で、菊地と栞に言った。

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