金髪王子2
私と礼奈は、黙って綾音の言葉に耳を傾けた。
「体を重ねてるとき、先輩、自分が快感を得ることしか考えてない感じだった。
私、愛されてるのかな?って疑い始めたら、そういえば、電話するのも、メールするのも、私の方からばっかりってことに気づいて。
デートしようって誘ってきても、それは、私に会いたいからじゃなくて、自分がエッチしたいからなんだなってこともわかっちゃって。
すごくむなしくて、悔しくて、悲しかった……」
綾音のつらい告白に、私も礼奈も、なにも言えなくなる。
重い空気がただよい始めたとき、綾音が表情を明るくして、パッと私の方を向いた。
「で? 栞は?」