金髪王子2

そんな私に引き換え、綾音は涼しい顔。


「へぇ~。
じゃぁ、奈良坂、案外辛抱強いんだね」


「え、辛抱強い?」


「だって、奈良坂だって、10代の男だし、我慢してるんじゃない?
ねぇ、礼奈もそう思うでしょ?」


綾音に話を振られた礼奈も、うなずく。


「うん、私も、もうしてるんだろうなって思ってた。
栞、ホントに手ぇ出されてないの?」


疑わしそうに礼奈に顔をのぞきこまれ、心臓がドクドクと音を立てる。


「な、ないよ!」

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