金髪王子2

――ビクン!


大輔くんが、別れのキスをしようと、手を伸ばしてきたとき、体が拒絶反応を起こした。


「栞?」


顔を近づけてきていた大輔くんが、身を引いた私を、驚いた顔で見ている。


「あ、あの……」


どうしよう?


キスしたくない、なんて言えない。


「アハハ、ごめん、ちょっと虫が飛んできて……」


苦しい言い訳。

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