金髪王子2
《しかし、今回ばかりは、どうも、お断りできないようなのでございます》
《どうして?》
《それは……、まぁ、外交上の問題といいますか、国家の機密に関わるので、はっきりとは申し上げられないのですが……》
《あぁ、そういうことならいいや。
それで?》
《恐れ入ります。
それで、カール様も覚悟をお決めになり、来春にはご婚約、その半年後には挙式ということになりそうなのですが、
そうなりますと、もう真理様と大輔様に会うことは、二度とかなわなくなります。
ですので、ご婚約の前に、是非もう一度だけ、おふたりにお会いになりたいと》
《ふぅん……》