金髪王子2

「いや、まさか。
お袋がそういう気持ちなら、俺も会うのはかまわないよ」


俺の返事を聞くと、お袋はジャンに向き直り、英語で答えた。


《私も大輔も、会うのはかまいません。
それで、いつ、どこで、会えばいいんですか?》


《ありがとうございます。
実は今、カール様はご公務が大変お忙しくなってしまわれて。
ただ、来年、年明けに日本で行われるスキー大会に合わせて来日できそうなのです。
詳しい日程は、私が帰国次第、調整して、ご連絡いたします》


《わかりました。
では、ご連絡をお待ちしています》


お袋がそう言うと、ジャンは微笑んでうなずいた。


そして、俺と目を合わせてきた。

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