金髪王子2
ジャンは、自分のカバンから大学案内のパンフレットを数冊取り出して、こちらに差しだした。
《大輔様が留学されるのであれば、授業料も生活費も、すべてこちらでご用意いたします。
カール様は、大輔様に、わが国の文化を、ぜひ、じかに知っていただきたいと願っておられます》
そう言われてもなぁ……。
俺も、親父の国に、興味はある。
でも、留学しようとは、考えたこともなかった。
北欧は遠い。
それに、言葉の問題もある。
もし留学するにしても、俺は英語圏の国を選ぶだろう。