金髪王子2


《本日は、お忙しいところ、お時間を作っていただき、ありがとうございました》


《いえ、お気をつけて》




お袋と一緒に、タクシーに乗り込むジャンを見送り、ふたりになったところで、つぶやいた。


「カール、なんで、わざわざジャンを寄こしたんだろうな?
手紙でも事足りそうなのに」


「それは、ジャンが言ってたじゃない?
カールの婚約は機密事項だって。
手紙がもし外部にもれたらって、心配したんじゃない?」


「あぁ、そっか」


「それに……」

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