金髪王子2
「大輔ももう大学生になるし、私ひとりで行ってもいいかなって思ってたんだけどね。
ちょうど留学の話が出たから、どうかなと思って」
「いや、急にニューヨークって言われても……」
「今度、ニューヨーク近郊の大学のパンフレットとか、留学に関する資料を集めておくから、考えておいてよ」
「マジ?」
「マジよ。
ほら、私自身はイギリスに留学したじゃない?
若いときに、外国で生活すると、日本にいたんじゃ見えないことが見えるのよ。
あなたにとっても、きっといい経験になるわ。
真剣に考えてみて」
お袋は大マジメにそう言う。