金髪王子2
しばらく、唇を噛んでいた栞は、
やがて、気持ちを奮い立たせるように手を握りしめて、顔をあげた。
「ちがうの、大輔くんが悪いわけじゃないの。
私、勇真くんの本見てから、なんだか、男の人がみんな、怖くなっちゃって。
少し、時間をもらえないかな?
しばらくしたら、治ると思うから。
それまでは、綾音と一緒に帰るから、ごめんね」
「そうか……、わかった」
俺には、それ以外の返事なんか、できっこなかった。
ホントはそばにいて助けてやりたいけど、
その俺自身が、栞の怖がってる"男"なんだから、どうしようもない。