金髪王子2

「ごめんね」


申し訳なさそうに、何度も謝る栞に微笑んでみせる。


「いや、早く治るように祈って、おとなしく待ってるよ。
でももし、俺にできることがあったら、なんでも言って」


俺にできることなんてないだろうとはわかってても、そう言わずにいられない。


「ありがと。それじゃ、ね」


「ああ……」






こうして、俺たちは、しばらく一緒には帰らないことになった。






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