金髪王子2
――ゾクッ。
えっ、なんか、やだな……。
さりげなく、村上先輩の手から逃れ、目に入った階段を指さした。
「あの、先輩、2階は何があるんですか?」
「ん? ああ、書架がたくさんあるだけだよ。
上も見てみる?」
「はい、是非お願いします!」
私は、さも2階に興味があるフリをして、また先輩に先導してもらうように、一歩後ろに下がる。
私が距離を取ると、先輩はちょっと不服そうな様子を見せたけど、すぐにまた先に立って歩き出した。
フゥ……、よかった。