金髪王子2

『なんであんなヤツと?』


つい、とがめるような口調になったが、菊地は気にした様子もない。


『ちょっと前に、予備校に行く途中でばったり会ったらしいの。
で、聖慶大を受験するって話したら、村上先輩も聖慶だから、見学に来いって誘われたんだって』


『それで、ひとりで行ったのか?』


『それが、わからないのよ。
ホントは、私が一緒に行くはずだったの。
だけど、熱で行けなくなったから、誰か他の人を誘うか、日にちを改めるよう、今朝、栞にメールしたんだけど。
そのあと私、40度近くまで熱が上がっちゃって、ついさっきまで眠ってて。
それで、どうしたのか聞こうと思って、今、栞に電話したんだけど、つながらないのよ。
で、奈良坂ならなにか知ってるかと思って、電話したんだけど……』

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