金髪王子2

そのとき、センセーから電話が入った。


『もしもし?
栞、見つかった?』


勢い込んで聞くと、電話口からは冷静な声。


『いや、まだだ。
今、そっちに向かってるから、その間におまえ、正門入ったとこの守衛室で、入場許可証もらっとけ。
経済学部4年の高部に会いに来たって、言っとけばいいから』


『わかった』


俺は言われたとおり、守衛室で手続きをして、許可証をもらった。


それを首からかけていると、銀縁メガネの背の高い男が、向こうから走ってくるのが見えた。


高部センセーだ。

< 350 / 519 >

この作品をシェア

pagetop