金髪王子2
そのとき、センセーから電話が入った。
『もしもし?
栞、見つかった?』
勢い込んで聞くと、電話口からは冷静な声。
『いや、まだだ。
今、そっちに向かってるから、その間におまえ、正門入ったとこの守衛室で、入場許可証もらっとけ。
経済学部4年の高部に会いに来たって、言っとけばいいから』
『わかった』
俺は言われたとおり、守衛室で手続きをして、許可証をもらった。
それを首からかけていると、銀縁メガネの背の高い男が、向こうから走ってくるのが見えた。
高部センセーだ。