金髪王子2
『センセー、なにかわかった?』
俺がかけ寄って聞くと同時に、センセーのケータイが鳴った。
『もしもし、カンジか?』
センセーは、電話の向こうの声に耳をすませている。
どうか、栞の居場所がわかったっていう連絡でありますように……。
祈りながら見守っていると、『わかった、引き続き頼む』と言って、センセーは電話を切る。
そして、前方にある建物を指さした。
「あそこの図書館で、30分くらい前に、哲学科の1年が、栞と村上ってヤツに会ったらしい。
そのとき、文学部の教室を見に行くと言ってたそうだ」
「その文学部の教室ってどこ?」