金髪王子2

すぐにでも駆け出したい気持ちをおさえて聞くと、センセーは首を振った。


「今、電話してきたヤツが、ちょうど文学部棟にいたんで、仲間と手分けして教室を全部見て回ってくれたそうだが、いなかったらしい」


「じゃぁ、もうどこか別の場所に移動したってこと?」


「そうだな……、あるいは、どこかよそに寄ってて、これから行くところなのか。
どちらにしても、文学部棟の前にサークルの1年を立たせた。
栞が現れたら、連絡が来るはずだ。
他にも目撃情報がないか、サークルや学部のヤツらにも栞の写メを拡散してもらってるから、もう少し待て」


クソッ!

待つことしかできないのかよ。


手当たり次第、探し回りたいくらいなのに!

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