金髪王子2
「栞……」
思わず、肩を抱き寄せる。
キスしたい。
でも、まずは、言葉で伝えないと。
濡れた頬を指先で拭いてやると、栞は自分でも涙を指でぬぐった。
その手も一緒に、栞の頬を俺の手のひらで包み込み、そっと引き寄せる。
顔を見つめると、栞も濡れたまつげをあげて、俺を見た。
「栞、これからはもっと大事にするから。
栞のこと好きだから、全部欲しくなって先走ったこともあったけど、
でももう、栞の嫌がることはしないって約束する。
だから、もう二度と、俺の手の中から逃げないで欲しい」