金髪王子2

「でも現実にはね、図書館に勤めるのに、司書の資格が絶対に必要かというと、そうでもないんだよ」


「えっ、どういうことですか?」


驚いて聞くと、杉田先生は教えてくれた。


「たとえば、駅の向こうにある区立図書館で働いている人たちは、アルバイトが多くて、正職員は少ないんだ。
そのアルバイトの応募資格に、司書の資格は必要ないんだよ。
でも、採用されれば、司書として働くこともできる」


「えっ、そうなんですか?」


「うん。
それと、うちの図書室もそうだけど、学校図書室の司書の募集は一般には公開しないで、縁故による採用をしてるとこが多いんだ。
縁故っていうのは、コネとか、つてって言った方がわかりやすいかな?
つまり、関係者の紹介、だね。
司書教諭の資格を持っていても、学校図書室の司書になるには、縁故がないと難しいかもしれない」


「ええっ、そんな……」

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