金髪王子2

教室に戻ると、待ってくれていた大輔くんが、おしゃべりしていた友達の輪から抜けて、こちらにやってきた。


「どうだった?」


「うん、高部先生の言ってたとおりだった。
北山学園大の日本文学科でも、司書の資格は取れるって」


「そっか、よかったな」


笑顔で喜んでくれる大輔くん。


でも、気分が落ち込んでしまった私は、笑顔を返せない。


「だけどね、司書の仕事って、就職先が少なくて、コネがないと難しいかもしれないんだって」


「え?」


私の言葉に、大輔くんも笑顔を消した。

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