金髪王子2
「すいませーん、森さんいますか?」
カウンターに座っている図書委員の女の子に、大輔くんが声をかける。
「ちょっと待ってください」と、その子はカウンターの奥にある準備室に入っていった。
今日の図書室は、利用者も少なく、静かだ。
待つ間もなく、女の子と一緒に、司書の森さんが準備室から出てきた。
「あぁ、栞ちゃんも一緒だったの?
えーと、奈良坂くんよね?
私になにかご用?」
森さんはにこやかに、私と大輔くんの顔を交互に見た。