金髪王子2

エレベーターが着いたフロアに降りると、大輔くんが、背中を押してエスコートしてくれる。


「親父って……、カール王子、だよね?」


ふかふかしたカーペット敷きの廊下を進みながら、小声で聞くと。


「うん。
黙って連れてきてごめんな。
でも、お忍びで来てるんで、外でおおっぴらに言うわけにもいかなかったし、
それに前もって言うと、栞、緊張すると思って」


するよ!


っていうか、もう、ガチガチに緊張してきた。


すると、大輔くんはひとつの部屋の前で立ち止まり、ドアをノックした。

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