金髪王子2

以前、大輔くんのお母さんからそう聞いたんだけど、お父さんとは、その件について話したことがない。


なぜなら、大輔くんのお母さんから、カール王子のことは、お父さんとも話さないで欲しいって、頼まれたから。


だから、うちのお父さんが一国の王子と知り合いだなんて、とても信じられない気がしていたんだけど。


当の王子の口から、こんな風にお父さんの名前が出ると、やっぱりホントだったんだ、って実感する。



「はい、元気です……」


そう答えると、それは良かった、と微笑みながら、王子は席に戻った。


そこに、先ほどの老紳士がスッとやってきて私に微笑みかけ、カール王子の隣のイスを引いてくれた。

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