部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
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「ナルホドね……」
理事長室の前には赤色のパイロンが置かれ、黄色い立ち入り禁止表示の有るテープで囲まれていた。
「ほらみろ、入れんだろうが」
「あら、別にどうって事無いわ。この程度の高さなら余裕で越えられるじゃ無い」
そう言って亜矢子は規制線をひょいとまたいで内側に入ろうとした。しかし、流石にそれはヤバいと思った琢磨が後ろからはがいじめにして亜矢子の暴挙を阻止する。
「莫迦、そういう問題じゃないだろうが、入るなって書いてあるんだから入るんじゃない」
「あら、本当に入って欲しく無かったら、もっと厳重に規制すべきじゃない、こんなテープだけ張り巡らして警備の一人も居ないなんて、現場保存がどうこう言う以前の問題じゃない?」
「うるさい、日本人は奥ゆかしく出来てるから、これで十分なんだ。余計な能書きは良いから、こっちへ来い!!」
そう言って琢磨が力づくで亜矢子を規制線の外に引っ張り出そうとした瞬間……
「うおっほん……」