部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
アパートの自室……畳の上に沢村直子は糸の切れた傀儡の様にぺたりと座り込んで、ぼんやりとしていた。その瞳に力は無く焦点も合ってはいなかった。

「――私じゃ……ない…わよね…」

同じ言葉を何度も何度も繰り返す。

「――私じゃ……ない…わよね…」


「――私じゃ……ない…わよね…」



「――私じゃ……ない…わよね…」




自分に言い聞かせる様に、何度も何度も、とりつかれた様に、ただ、その言葉だけを……
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